PCを廃棄する際、HDDからの情報漏洩を防ぐ為に復元不可能な消去を行う必要があり、昔はDBAN(Darik’s Boot and Nuke)をよく使っていた。
最近、SSDを搭載したPCを廃棄することになり、同じように消去できるだろうと調べたところ、SSDにはウェアレベリングという技術が使われており、古いHDD消去ソフトでは完全消去ができないとのこと。
代わりに、最近のHDDやSSDではSecure Erase(セキュア消去)という完全消去が可能となっている。
Macでは電源ON後の「command (⌘) + R」でmacOS復元を起動すればMac単体で自身のディスクを消去できるが、Windows PCは一工夫必要。
ググるとEaseUS Partition Master FreeやAOMEI Partition Assistantを使った記事がヒットするが、PC内蔵のOS起動ディスクの消去はできない。
たどり着いた方法は、USBメモリでUbuntuを起動し、hdparmでSecure Eraseを実行するだけ。
- UbuntuのISOからインストール用USBメモリを作成して起動
USBメモリ作成は、WindowsならRufusやYUMI – Multiboot USB Creatorを使うのが楽 - ターミナルを開く
- 対象のデバイス名を確認
sudo fdisk -l
- Secure Erase可能か確認
sudo hdparm -I /dev/デバイス名
以下のような出力があれば可能
Security: Master password revision code = 65534 supported not enabled not locked frozen not expired: security count supported: enhanced erase 106min for SECURITY ERASE UNIT. 106min for ENHANCED SECURITY ERASE UNIT.
- デバイスが"frozen"の場合、サスペンド→復帰で"not frozen"にできることが多い
sudo sh -c "echo -n mem > /sys/power/state"
- Secure Eraseを実行する為にパスワードを設定する
Secure Erase後はパスワードも消えるのでなんでも良いsudo hdparm --user-master u --security-set-pass パスワード /dev/デバイス名
- パスワードが設定されると"not enabled"が"enabled"に変わるはず
sudo hdparm -I /dev/デバイス名
- Secure Erase実行
hdparm --user-master u --security-erase 設定したパスワード /dev/デバイス名